Researcher(研究者) 松山洋道
この一年で、役割・業務・やりがいなど、どんな風に変化しましたか?
前回インタビューを受けた頃からは、業務も役割も大きく変化しました。前回のインタビューを終えてすぐの時期は、大手企業のJijZeptトライアル期間に、ドキュメントやチュートリアルを作成し、これを踏まえ先方にZeptをスムーズに活用いただく流れを作っていました。このタスクをきっかけに、OpenJijのチュートリアルの改修も推進していました。
その後は、大手外資系IT企業とのパートナーシップ案件での研究パートの担当や、大手自動車会社とのPoCプロジェクト、また車載半導体開発会社とのプロジェクトなど、研究寄りの仕事がメインになっていきました。同時に国のプロジェクトにアサインされ、GPUを使ったSolver開発のサポートを3ヶ月くらい担っていました。
今年の春ごろからようやく社内の研究に専念できるようになってきました。アニーリングを用いたハイブリッドアルゴリズムを研究する傍ら、直近に行われる国際学会に向けて量子ゲートを用いたアルゴリズムの研究も進めています。自社の知財を守るためにも、積極的に事例を発表していくことが大事だと思っています。
また、私は企業とのプロジェクト(PoC)のメイン担当ではないものの、PoCにおける研究開発に関連する部分にも参加しています。例えば、PoCで用いるアルゴリズムに関する壁打ちの役割や、様々な先行研究をまとめるなどして、より良い手法を提案、提供するためのサポートを担っています。
新たな役割の一つとして人的マネジメントも私の重要な仕事です。それぞれのメンバーが担う研究分野があるので基本的にはメンバーの推進に任せていますが、議論や打合せのタイミングで、提案やアドバイスを行いメンバーが壁を乗り越えるための手伝いをしています。
振り返ってみるとこの一年は常にやるべきことがあり、ずっと走っている印象です。しかしながら難しい問題に直面した時こそ、一層モチベーションが上がるタイプなので、これからも走り続けていきたいと思います。
この一年で変化した、新たな目標やチャレンジしたいことは何ですか?
Jijでは量子だけでなく数理最適化の技術も扱っています。次々に出てくる社会課題を解決する手法としてこの分野を活用するには、これまで以上に専門性が必要になってきます。また世の中には様々なタイプの数理最適化solverが出てきているものの、これらを使って大きな問題に対して良い解を得るためには数理最適化の深い知識や知見が必要になります。
私は物理の出身で数理最適化の専門家ではありませんし、数理最適化は広い分野なので多方面のことを勉強しなければいけませんが、社内に詳しい人材が増えることで時間短縮できる業務が増え、スピーディーに成果に繋げられるのではないかと考えています。
そういった意味で、量子以外にも数理最適化を深くキャッチアップすることを目標としています。
改めて、Jijの社風や特徴を教えてください
Jijは日本各地からフルリモートで勤務しているメンバーが多いため、オンラインで円滑にコミュニケーションを図ることがとても大事です。業務上の疑問や質問など些細なことでもSlackでつぶやくと、誰かがそれを拾ってリアクションをしてくれます。また、最近は以前よりもSlackのHuddle機能を活用した議論が活発に行われており、それによって業務をスムーズに進めるためのアイディアやプラスαの知見・知識をgive-takeすることができます。
業務におけるオンラインコミュニケーションは確立されている一方、最近はちょっとした雑談などをする機会が減ってしまい残念に思っています。新しいメンバーも増えてきたので、各々のパーソナリティーを知ることができれば、その人の業務スタイルやこだわっていることを理解した上でコミュニケーションが取れるので、より業務成果も上がりやすいのではないかと考えています。今後はオンラインコミュニケーションのみならず、たまにはオフラインで接点が持てる機会があるといいなと思っています。
仕事以外に興味のあることや休日の過ごし方を教えてください
プライベートの時間も業務に関連した勉強に時間を充てることが多く、最近は数理論理の勉強を進めています。
日常的に音楽を聴くことが好きで、特にジャズやフュージョンをよく聴きます。また、自分で料理を作ることも多く、特に大好きなカレーはよく作ります。
以前は会社の人と10kmマラソンに挑戦するなど時々運動をしていましたが、最近は家の中での活動が多い傾向です。もう少し涼しくなったらまた運動を再開したいと思っています。