Researcher(研究者) 坂井涼

 
※このインタビュー記事はJij Inc. Advent Calendar 2023の4日目の記事にリンクしています。
 

Jijに入社した理由を教えてください

私は日本で博士課程を修了した後、ポスドクとしてアメリカに渡りました。環境を海外に移すことは一種の挑戦でしたが、研究の面でも語学の面でも修行になると思い決断しました。アメリカでは2年ずつ2つの大学で素粒子理論の数値的研究に従事し、素粒子分野でのテンソルネットワーク法の応用を進めることができました。こうした研究は当時まだ始まったばかりと言えたので、新しい方法論を発展させることにやりがいを感じていました。
2つめの大学の任期終了が近づいた時期に、今後どういった方向に進むべきか様々な選択肢を考えました。最終的には、これまでの研究で得た経験・知見を製品やサービスに還元することが自分に合っているのではないかと考え、企業に就職することを選択しました。
これまでにJijの技術ブログを読む機会が何度かあったのでJijという名前は知っていましたが、応募に当たってホームページを再度じっくり閲覧しました。その過程で社員インタビューの記事を読み、どんな人が働いているのか具体的に想像できたことは重要な材料となりました。また、Jijは量子技術と数理最適化の二つの柱で立っており、私は両方の分野に興味を持っていたため吸い寄せられるように応募しました。選考時には複数回の面談並びに技術テストがあるのですが、それらを通して学習意欲の高い社員が多いことや各人の裁量に任せた自由な働き方が導入されていることなどを知り、Jijへの入社を決断しました。
 

現在の担当業務とそのやりがいを教えてください

大きくは2つの軸で業務を進めています。一つ目は量子アルゴリズムの研究です。Jijは、業界・市場において存在感をアピールするために、研究内容を積極的に論文として発表していくことを方針としています。そのため、私が担当している量子アルゴリズムの研究においても早い段階での論文発表を目指しています。これは私が入社前に研究していたテンソルネットワーク法の知見を活かせる分野でもあるので、とてもやりがいを感じています。
二つ目は、ヒューリスティックな最適化手法の研究です。これはJijが提供しているサービスにも関連しており、開発担当の各チームと議論する機会が多くあり刺激的です。これまでは自分の研究のためにプログラムを書いていたため自分の中で完結していることがほとんどでしたが、今は自分以外の人との共有が前提になっています。他者との共有を踏まえた開発は自分にとっては新しい経験ですが、それが本来あるべき形にも思えるので、新鮮さを感じながら勉強しています。
 

今後Jijでチャレンジしていきたいことを教えてください

短期的には論文を発表し、学術的な成果をもって会社の認知度を高めていきたいと思っています。Jijでは研究行為にかなりの比重を置ける環境が与えられているので、そのチャンスを活かしていきたいです。
会社員としての中長期的な目標は未定で、業務を進めながら歩むべき方向を調整していきたいと思っています。しかしながら、前提としては学術的な成果を出し続けたいと考えています。私にとってはJijが産業界でのファーストキャリアですが、アカデミアと産業界では似たものを研究していても視点が違うと感じています。Jijでの研究活動を通して新しいものの見方を身に付けられると確信しているので、今後は学術的な視点で産業的な課題に取り組む、あるいは産業側からの知見を学術的な成果に繋げることに挑戦していきたいと思っています。
 

候補者へのメッセージをお願いします

Jijにはその功績がよく知られたエンジニア (自分も過去に知らずに知っていました) や広い学識を身に付けたエンジニアが多数在籍しています。これらの社員の間近で多くのことを学べる機会は何事にも代え難いですし、他にはない魅力だと思います。
また入社後一緒に働いて気づいたことは、Jijの社員は穏やかで心優しい人が多いということです。この点は社員へのインタビュー記事を事前に読んで想像していたことでもあります。
裁量労働制やフルリモート勤務といった働き方の自由さもありつつ、メンバーとのコミュニケーションを通じて沢山の刺激を受けられることは、Jijの特徴です。